1960年代 ジャック・タチ -

1967 プレイタイム

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『プレイタイム』壁も天井も壊れたレストランで朝まで続いた狂騒のシーンで、ふいに何とも言えない幸福感を感じたショットです。

巨額の費用をかけて作られた近代都市のセットの中を、おなじみユロ氏やアメリカ人観光客の団体、ユロ氏のニセモノたち、ユロ氏の戦友たち、レストランのダメダメなスタッフたちなど無数の人々や自動車が動き回り続ける、取り立てて書くべきストーリーのない作品です。

いつものタチ作品のように音の映画であり、今作はガラスの映画でもあります。あるのにないように見え、向こう側を露わにし、こちら側のものを映し、ないのにあるようにも見えるガラスが、全編を通して象徴的に使われています。

ラストのスカーフのくだりもいい。

ジャック・タチの最高傑作だと思いますが、タチ作品を見慣れていない方は、『ぼくの伯父さんの休暇』か『ぼくの伯父さん』を観てからのほうがいいかもしれません。

『プレイタイム』Play Time

監督・脚本・主演:ジャック・タチ

★ほかのジャック・タチ監督作品は、こちらで。

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